海外暮らしが長くなってきたニホンジンの思うこと

台湾に10年以上住んで、生活でふと感じたこと、語学学習者に接していて気づいたこと、などなど綴っています。

台湾在住者が台湾で本格詐欺に遭った話。

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今回、ただ詐欺にあったお話だけじゃなくて、日本人だからこそ、中国語ぺらぺらじゃないからこそ、よかった?経験をお話しします。

ある日曜日のお昼過ぎ、私がソファーでほゎ〜〜っと気持ちよく昼寝をしてたんです。
台湾人夫は横で寝転んで読書中だったみたいです。

気持ちよ〜く寝ていたところに、突然私の携帯が鳴りました。
日曜の昼間に結構珍しいこと。

発信番号を見ると "+002 886......" でした。
ん?よくわからない。
しかも突然起こされたので頭はぼーっとして機嫌も悪い。

私はいつもこの発信者表示ができるアプリを使っていて、
whoscall.com

病院とか役所とかの固定電話とかはほぼ100%表示されますし、しつこい営業の電話として誰かに報告されたことある番号も営業電話とか、金融営業、とか表示されて、とても便利です。

でもこの時はなんの表示も出ませんでしたね。
後から考えると+002ってインターネット電話なのですでに怪しいんですけどね。


電話口に出ると、
すごく暗くて低い男性の声。

『您好,請問您是〇△〇〇子嗎?』(こんにちは、〇△〇〇子(私の名前)さんですか)
案の定私の名字のふた文字めの読み方間違ってる。
まあ、台湾ではよくあることです。日本の独自の漢字で台湾にはない漢字なんです。

それで、 いいえ、〇〇と呼ぶんですけど。
と答えました。
それで、向こうはそのまま本題へ。

詐欺師:こんにちは、こちらは△△△△△△△△△△ です。
私:  ....は? 

(会社名が長すぎる上に 第三世代皮膚、みたいな意味のわからない名称で全くピンとこない)

詐欺師:△△△△△△△△△△ です。
私:ん?聞き取れません、どちら様ですか?
詐欺師:とりあえず、あなたのクレジットカード情報がなぜか当店のデータに残ってしまっていて、他のお客さんの購入の際にそのデータが使われてしまったようで、近々12000元(約4万円)の引き落としがあるはずなんです、
でもそれが間違いだとわかっていますので、こちらで取り消しをします。

(暗くて低くい声でしかも早口)

ただ、これからすぐに、クレジットカード会社から本人確認とこの取引は貴方ではないという確認の電話がかかってきますので、その時にこの旨を伝えてください。

(相変わらず暗くて低くい声でしかも早口)

言ってることが複雑なので、隣にいた台湾人おっとに聞こえるようにスピーカーにする。

私: は?何が起こってるのかよくわかりません。あなたはまずどちら様ですか?
詐欺師:2ヶ月前に当店のインターネット店でインナーを買われましたよね?○色の△□○という品名で、計500元(約1800円)の商品です。

(暗くて低くい声でしかも早口)

私:うーん、印象にないです。
インターネットって言いましたよね?媒体はヤフーですか?楽天ですか?露天ですか?蝦皮ですか?

(聞いたこともない店自身のサイトに行って買うわけがないと思い、どこの媒体から買ったか聞けば思い出すかと思いサイト名を聞いた)

詐欺師:それはわかりません。
私: じゃあどのクレジット会社ですか?

(自分で電話して確かめようとする)

詐欺師:それはここにデータがなくてわかりません。
私:ちょっとこの電話の目的がよくわからないんですけど..... で、私何をすればいいんですか?
詐欺師:近々12000元(約4万円)の引き落としがあるはずなんです、でもそれが間違いだとわかっていますので、こちらで取り消しをします。ただ、これからすぐに、クレジットカード会社から本人確認とこの取引は貴方ではないという確認の電話がかかってきますので、その時にこの旨を伝えてください。

(同じく暗くて低くい声でしかも早口で淡々と喋り続ける)

なんかこの時かすかに自分自身も怪しいと思い始めていました。
ここで隣にいた台湾人おっとが、聞き取った店名を横でネットで検索、(私はいまだに聞き取れていない( ;∀;)
なんとグーグル検索のキーワードで ”△△△△△△  詐欺” と出てきた!!!

これで私は

私: わかりました。とりあえずクレジットカード会社の電話を待てばいいんですね。はいはい。

と引っかかったふりをして電話を切りました。
おっとと二人で キタ!!さてどんな猿芝居が続くのか!?と次にかかってくるべく詐欺師扮するカード会社の電話を待ちましたが待てど暮らせど結局電話はありませんでした。
(怪しまれてるってバレたな)

実際、このインナー、買ってました。言われた金額、言われた日に。
FACEBOOKページからの購入でした。ちなみにFACEBOOKの店名は英語名でおしゃれな感じで、詐欺師が言ったのは中国語の社名、思い出せないはずだよ!
しかもこの2ヶ月でインナーはいろんなところから少しずつ買ったので、ネットだったかどうかも正直よく覚えてませんでした。
それにしても、いつ何を買ったか顧客データが漏れてる店舗本当に台湾は多いようで最悪です。


結局、夫が隣でググってくれたのでもっと他に情報を渡してしまう前に詐欺と確信することができましたけど、実はネイティブじゃないこの私の本能が、なんかおかしいということを電話の最初から本能的に感じていたんです。

会話中に何度か書きましたが、普通、もし店の不手際でこういうことが起こったなら、台湾の店舗って基本ごめんなさいと丁寧に謝ったり、そういう喋り方をするので、何か店がやらかして私に迷惑がかかってるという状況がなんとなく伝わるんです。
日常会話の中国語くらいできると自負しながらも、きっと私は今までも電話先で相手の顔が見えない状況ではこういう相手の語気を感じて会話してるんですね。
相手の言う専門用語や熟語が聞き取れなかったとしても、向こうの雰囲気や喋り方で喋ってる内容はわかるし、重要じゃなさそうなことは流し、大切そうなキーワードっぽかったら聞き返すことはよくあるんです。

でもこの詐欺師、伝えた内容自体は『店舗のミスで他の人の決済を私のカードでしてしまった』という私に謝るべきことなのに、口調がすごく暗くて早くて、早く何かをしてください、と焦らすような喋り方を繰り返すので、私は何をしなければいけないのか、もっとはっきりと聞こうと、店舗名を確かめたり、カード会社名を確かめたり、なおさら慎重に確認しようという聞き取りモードになったのです。
話してる内容と話し方が不一致だと、語気も含めて内容を判断してる外国人にとっては、こうも伝わらないものなんですね。
もし台湾人だったら、内容を聞き取って、こりゃ大変だと解釈して早合点して、詐欺に引っかかる、となっていたかもしれないですけど、私は相当回数聞き返しました。
だって、謝りたいのか、いやなんかそうじゃないみたい、なんかしろって言ってる、カード会社に電話をかければいいの?、どこにかければいいのか、いや、電話受けろって言ってる?
結局なんでこうなった?わからない?カード会社名もわからない? は?何が起こってるのかよくわからない........
まず絶対インナー屋さんじゃない声(笑)だから余計にわからない。

私はもう暮らして10年になるので、日常生活に使う中国語はだいたい問題なしですけど、
ネイティブじゃない人って、結局やっぱり、語気(話し方の雰囲気)ですごい判断してるね、って実感した経験でした。

とりあえず詐欺られなくてヨカッタ。