日本人の知らない日本語!!vor.1 <形容詞なのか名詞なのかわからない>
そこのアナタ!
日本人なのに日本語の質問に答えられなくて困った記憶ありますか!
別に難しいクイズに答えろと言われているんじゃありません。
台湾で日本語能力検定を受ける生徒から聞かれて非常に困った質問をアップしていきます。
危険な仕事。
この”危険”って形容詞ですか?名詞ですか?
外国人学習者は、形容詞には”い形容詞”、”な形容詞”と2種類あることを習います。
ながついてるからな形容詞のような気がするけど、「危険を冒す」、と言う使い方だと名詞ですよね?
一体どっちなの!?
(日本人の国語学習とはこういう形容詞をい形容詞、な形容詞としか教えないところが違うんですよね....だから外国人の学習内容に沿って教えるのはまたこれが難しいんです。大人になってから日本語を文法的に理解するのと、日本人の子供が国語として理解するのは違うんでしょう。外国人学習者は日本で私自身が習った習い方をしないので、私にとっては別の方法で再度日本語を学習している状態です。。。。)
結論から言うと、
危険は形容動詞なのです。徐々に学生時代の国語を思い出しつつあります(汗汗)
でも品詞の分類は日本人が学校で習う習い方なので、外国人学習者のテキストには登場しません。なので形容動詞といってもみなさんお初にお目にかかるわけで、説明に非常に困りますね。
ところで、日本人で形容動詞がなんだったかお忘れの方もいらっしゃると思いますので、(それアンタ)形容動詞がどういうものかと先に復習しますと、
形容動詞は、平安時代に形容詞が不足したとき、形容詞で表現できない意味を持つ名詞を語幹として「なり(←助詞「に」+動詞「あり」)」または「たり(←助詞「と」+動詞「あり」)」をつけることによって成立した[1]。(ナリ活用とタリ活用。前者は現在のダ型活用、後者はタルト型活用[注 1])。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
ということで、やっぱりもともと名詞から持ってきたものなんですよ!だから名詞にもなりそうな気がするんだ。そりゃ説明が難しいはずだ。
しかも
独立した品詞としてこれを立てることに否定も多く、それぞれ別に節を立てて説明するが、形容詞とする立場、名詞とする立場がある。「形容動詞」という名称にも異論がある。まず、独立した品詞とする立場から説明し、その後に異論を示す。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
おお........
どんどんややこしくなりますね。
ってか日本人の言語学的観点からもいろんな立場を唱える人がいて揉めているんですね。そりゃ正解が見つからないわけだ。
じゃあ答える人によって答えが違いそうだ。。。。
形容動詞のわかりやすい特徴として、具体的に例を挙げると、
- 形容詞とは違って、「不謹慎である」のように「~である」をつけることができる
だから、「危険である」。あ、確かにできますね。
- 名詞とは違って、名詞には活用が存在しないが形容動詞は活用が存在する。
- また、名詞は程度を表す副詞に修飾されることはないが、形容動詞は程度を表す副詞によって修飾される
あ、たいへん危険な仕事、たいへんという程度を表す副詞を伴っても違和感ありませんね。
たいへん危険です。はいいけど、たいへん雨(=名詞)です。はおかしいですね。
たいへん暇です。(暇な=な形容詞)もいい。
とても安全だ。(安全な=な形容詞)
安全に運転する。(な形容詞)
安全が第一。(名詞っぽいけど、な形容詞に含まれる形容動詞)
......などなどこんな感じですね。
結論から言うと、(あれ2回目?)
形容動詞はな形容詞に含まれるが、元は名詞から持ってきて形容詞にしたため、名詞的な使われ方もするが、名詞とは別ものであることが上の説明によってもはっきりとわかる。
と言うことですな。
外国人学習者には、
な形容詞の中には、形容動詞と言うような、一見名詞のように見えるものがあるけど、これは名詞ではないよ。名詞かどうか迷ったら、〜なをつけてみて、おかしくなければ「な形容詞」だよ。だから程度を表す副詞を前につけることができるよ。
と説明してあげよう。