海外暮らしが長くなってきたニホンジンの思うこと

台湾に10年以上住んで、生活でふと感じたこと、語学学習者に接していて気づいたこと、などなど綴っています。

雪の降る国の人は普通は気にする"雪の質"....

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先日台湾人に、私の地元金沢の説明をしていて、

冬には雪が降るということを言って、ちなみに北海道の雪ほど”質”は良くないんだけどね。と言ったら、

....鼻で笑われました。

 

笑われて気づいたことがあります!

雪を見たことがない国の人にとって、

おそらく、雪って一種類しかないと思ってるんだ!とむしろびっくり。

今思うと、この台湾人は雪の質を気にしてる私が滑稽に感じて笑ったんだろうね。

 

別にすごくこだわるわけじゃないけど、なんかこう、北海道の雪とか、長野の雪って聞くとスキーとかに適してて素晴らしそうだと思いますよね。(ない?)

 

うちの地元もそりゃとんでもなく降る年もあるけど、氷みたいにジャリジャリした雪もあるし、サラサラでふわふわでパウダー状の雪もある。

スキーをする国の人なら、自分の地元も雪降るけれども、わざわざ長野や北海道にいい雪を求めて滑りに行くんですよね。

日本の雪とフィンランドの雪は全然違うかもしれないし、12月の降り始めの雪と2月の豪雪の雪も違うのに。

そんなこと考えたことないんだ〜〜〜 そりゃそうだろうけど、逆に不思議。

 

同じ時代に生きて、旅行も簡単にできて、ネットでなんでも見れて、世界は小さくなって、なんでもお互い知ってるような気になってたけど、

根本的に雪国の人と熱帯の人じゃ共感できないことがあるんですね。

 

 

台湾で救急車で運ばれた件。急患で使う中国語編。

今回は笑い事じゃありません。 不是開玩笑的哦...

”のたうちまわるような痛さ”って、言いますけど、痛みが途切れ途切れならば、のたうち回れるんですけど、痛み”しか”ない時は全く動けないということを知りました。はぁやれやれ。

「誰か....助けて....」とただ床に倒れて、冷や汗の暑さ(?)で全身汗だくの体を床の石の冷たさにつけてなんとか意識を保ちながら救急車を待ちました、そのお話とともに、台湾の急患の対応やら病院で使う中国語やら経験談をば。

 

ことは接待中に起こりました。

その日の朝は予兆もなんともなく、正午に日本人のお客さんとホテルで食事が出てくるのを待っていた時のこと。

急に胃のあたりに激痛が。

接待なのに顔がひきつりそうだったので同僚にトイレへ行くと伝え、少しトイレの椅子で楽な格好をしようとトイレへ駆け込んだはいいものの、椅子に座れるような痛さでなく、いっそトイレの床に寝ころがろうかと思ったり、トイレで携帯をいじっていると思われるのも嫌なので、わざと持ってこなかった携帯のことをを悔やみまくったり、汗が出て洗髪したかと思うほど髪が濡れて、もうトイレに篭って15分は経っただろうか、限界だ、救急車だ!と思ったが、トイレに誰か入ってきてくれる気配も全然ない。

とにかく這い出てトイレの外で人が通りかかるのを待とう、と最後の力を振り絞ってトイレの前の通路に出ました。

汚いとか関係ない、とにかく倒れ込んで人が通るのを待ちました。 

 

結構早くウェイターのような方が通りかかって、すぐに走ってきてくれ、

救、救急車を.... わかりました!すぐに来ますから!

その後代わる代わる人が来ましたが目を開けて人と喋るような余裕などなく目をつぶって聞こえてくる質問に答えていました。

 

腹痛です、生理1日目なのでそのせいかも....。いつもこんなに痛いんですか? いつもの痛さではありません、こんなのは初めてです。お腹の上の方が痛いんです。生理の痛さとは違います.....

代わる代わるいろんな人が喋ってくるが、こんなことばかりを繰り返し、そうこうするうち、10分くらい経っただろうか、救急車が到着し、担架に乗せられ、ホテルの77階からエレベータで下に降りました。

担架に横たわりながら、ああ〜ホテルから出るのって時間かかる... と思っていたら、77階のエレベーターを降りて思いがけず速攻で外に出た。そりゃそうか。非常出口から出るに決まっていますね。

ホテルの入り口を通るわけがない。案外すぐに太陽の光を感じ、外の空気を吸えたことで一瞬ホッとしたのを覚えています。

救急車に乗ったら救急隊員の方でしょうか。誰かが、すぐに着くからね、と声をかけてくれました。

倒れてから一度も目を開けていない。自分でもなぜかわからないけど、多分誰かの目を見て受け答えする余裕なんてないという状況だったからだろう、救急車の内装がどうだったか、誰が私のそばにいてくれたのか、全く見ていなくてわからない。

 

病院に着いた。去年旦那が盲腸で急患で運ばれたのと同じ場所だったのでなんとなく安心感。

あれよあれよという間に腕と指で血圧を測られ、痛み止めの注射と点滴となんやかんやで3箇所くらい注射をされ、生理1日目で出血していたので尿を取ることができず尿道から直接とられた。痛かった、ような気がするけどお腹の激痛からしたら痛みなんか感じない。

今思うと注射は3回ほど失敗されていた。私は血管が細すぎるので、注射専門のベテラン看護婦さんじゃないとだいたいいつも成功しないのです。思った通り後から見ると手や腕は失敗の針痕だらけになっていたけど、その痛さにも気づかなかったんだ...

 

余談ですが、これは旦那もいつも笑い話にしてます。

私は刺しても刺しても血が出ない。超人だ...マジックのショーに出れると。

台湾のお寺の行事で背中に釘を刺したり剣を飲み込んだり、日本でいう神がかった人が大衆に激しいパフォーマンスを見せるのがあるんですけど、とにかく血が出ても痛くないという、のがあるんですが、私もそれできるよ、と。おいおい。

やっと血が出てきても遅すぎて看護婦さんに腕を叩かれたり揉まれたり。

 

あれよあれよという間に同僚が駆けつけてくれ、その後すぐに旦那も到着し、皆さんには帰ってもらいました。たくさん着ているのにとにかく大汗をかいた後の寒さで震えていました。

震えは中国語で“發抖 fa dou”と言います。

MRI室に運ばれたり、婦人科の先生の超音波検査を受けたり、担架でいろんな場所に運ばれ検査が行われていきます。

このとき、私はユニクロのブラトップ(タンクトップにブラのカップが付いているもの)を着ていました。そのままMRIなどの検査ができ本当に助かりました。

痛みで脱ぎ着もやっとな時に下着の脱ぎ着をしなきゃいけなかったらかなりきつかったと思います。

服に金属はついていません。直接検査できます。は中国語で ,

“內衣沒有金屬的。可以直接檢查。”

 

と、まあやっと痛み止めが効いてきて、寝ていれば痛みが和らいでいる状態になりました。

運ばれてから1時間後くらいですかね。

 

急患の担当医の先生が、おそらく腹膜炎です。生理の血がお腹の中に飛び散っているようです。といい、後でこれこれ検査します。と言われ、それから3、4時間ほどたったでしょうか、もう外は真っ暗でした。

やっと急患の担当医から、明日の朝、婦人科の専門医の問診を予約してあるので、その時もう一度検査しましょう。明日の朝までここで休んでいていいですよ。と言われたんですが、

とにかく急患室に蚊が多く、付き添ってくれている旦那には椅子しかないので、寝ることもできず、朝まで待たず家に帰りたい、明日の朝また来ます、ということにしました。

この病院の急患室は正直本当に劣悪でしたね。いつも思うけど、看護婦さんの態度も悪い人が多い。

点滴がなくなって取り替えて欲しいけど看護婦さんもなかなか来てくれません。

点滴を取り替えてもらえますか?は中国語で

“請幫我換點滴。”

もうすぐ無くなるんじゃなくて、もうなくなってて血が逆流しかけてます....ほんとにもう。

 

ちなみにその日の夜中、38度まで発熱し、旦那は気が気じゃなく、問診待たなくていいからすぐに急患に行こうと言いましたが、動くと腹痛がすごいので、もう動きたくない、このままにさせて〜ということで、朝までそのままでいました。

翌朝も腹痛で腰の曲がったおばあちゃん姿勢で、ゆっくり歩かないと激痛なので病院に着いてからは車椅子にさせてもらいました。

老いてからこういう風に旦那に迷惑かけたくないと思いました。

健康は大事ですね、本当に。

後から調べると、これは完全に腹膜炎の症状ですね。

お腹を押した時より離す時に激痛、お腹が膨らんで硬い、痛さで背中を丸めないといられない、痛さから発熱するなどなど。

翌朝問診に行きましたが、その先生もあまり好きになれなかったので信頼の置ける友人にいい病院を紹介してもらって、病院は変えることにしました。

 

新しい病院に行き、診断結果はチョコレート嚢胞が破れたことによる腹膜炎ということで、手術決定。止血剤や鎮痛剤で、手術まで痛みを騙し騙し我慢することになりました。

 

ちなみに、救急車を呼ぶとすごい金額を請求されるとか、色々伝説を聞いたことがありましたが、今回実体験により詳細が明らかになりました。

以下は支払った明細ですね。

 

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大きく医療費がかかっているのは10番目の超音波検査と11番目のMRI検査費用ですね。

でも最終的に自己負担分は合計568元(日本円で約2000円)です。

正直半日以上お世話になって、安っ!というのが正直なところ。

救急車費用とかはありませんでした 笑

少々看護師さんの態度が悪くても文句は言えないでしょうか....いえいえ、それとこれとは別問題。

 

さて、一応台湾での病院経験と中国語がこのブログのメインなので、私の病状についてはこの辺にしておきます。

私の今回の救急搬送の原因はチョコレート嚢胞の破裂でした。妊娠を望むので卵子抽出、体外受精と受精卵の凍結をすることになりました。

もし今後の進展に関して情報共有されたい方がいらっしゃったらコメントください!

以降のブログにて共有させていただくことも考えます。

 

〜今回使った中国語〜

救急車を呼んでください。  請幫我叫救護車。

腹痛です。      我肚子很痛。

生理1日目なのでそのせいかもしれません。   也許因為月經第一天的關係。

いつもこんなに痛いんですか?   每次這麼地痛嗎?

いつもの痛さではありません、こんなのは初めてです。    平常沒有這麼地痛,第一次這麼痛。

お腹の上の方が痛いんです。     我痛的是較上面。

下着を脱いでください。 請脱內衣。

服に金属はついていません。直接検査できます。 內衣沒有金屬的。可以直接檢查。

点滴を取り替えてもらえますか? 請幫我換點滴。

(筋肉注射なので)よく揉んでくださいね。  要好好揉一揉。

最低3分は押さえてください。    至少壓3分鐘。

痛み止めを注射してください。   請打止痛藥。

薬のアレルギーはありますか?   你對藥有沒有過敏?

昨日発熱しました。   昨天有發燒。

車椅子をお借りできますか?  可不可以借個輪椅?

日本人の知らない日本語!!vor.1 <形容詞なのか名詞なのかわからない>

そこのアナタ!

日本人なのに日本語の質問に答えられなくて困った記憶ありますか!

別に難しいクイズに答えろと言われているんじゃありません。

台湾で日本語能力検定を受ける生徒から聞かれて非常に困った質問をアップしていきます。

 

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危険な仕事。

 

この”危険”って形容詞ですか?名詞ですか?

外国人学習者は、形容詞には”い形容詞”、”な形容詞”と2種類あることを習います。

ながついてるからな形容詞のような気がするけど、「危険を冒す」、と言う使い方だと名詞ですよね?

一体どっちなの!?

 

日本人の国語学習とはこういう形容詞をい形容詞、な形容詞としか教えないところが違うんですよね....だから外国人の学習内容に沿って教えるのはまたこれが難しいんです。大人になってから日本語を文法的に理解するのと、日本人の子供が国語として理解するのは違うんでしょう。外国人学習者は日本で私自身が習った習い方をしないので、私にとっては別の方法で再度日本語を学習している状態です。。。。)

 

結論から言うと、

危険は形容動詞なのです。徐々に学生時代の国語を思い出しつつあります(汗汗)

でも品詞の分類は日本人が学校で習う習い方なので、外国人学習者のテキストには登場しません。なので形容動詞といってもみなさんお初にお目にかかるわけで、説明に非常に困りますね。

ところで、日本人で形容動詞がなんだったかお忘れの方もいらっしゃると思いますので、(それアンタ)形容動詞がどういうものかと先に復習しますと、

 

形容動詞は、平安時代形容詞が不足したとき、形容詞で表現できない意味を持つ名詞を語幹として「なり(←助詞「に」+動詞「あり」)」または「たり(←助詞「と」+動詞「あり」)」をつけることによって成立した[1](ナリ活用とタリ活用。前者は現在のダ型活用、後者はタルト型活用[注 1])。      出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia

          

 

 

 ということで、やっぱりもともと名詞から持ってきたものなんですよ!だから名詞にもなりそうな気がするんだ。そりゃ説明が難しいはずだ。

 

しかも

独立した品詞としてこれを立てることに否定も多く、それぞれ別に節を立てて説明するが、形容詞とする立場、名詞とする立場がある。「形容動詞」という名称にも異論がある。まず、独立した品詞とする立場から説明し、その後に異論を示す。      出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia

おお........

どんどんややこしくなりますね。

ってか日本人の言語学的観点からもいろんな立場を唱える人がいて揉めているんですね。そりゃ正解が見つからないわけだ。

じゃあ答える人によって答えが違いそうだ。。。。

 

形容動詞のわかりやすい特徴として、具体的に例を挙げると、

  • 形容詞とは違って、「不謹慎である」のように「~である」をつけることができる

だから、「危険である」。あ、確かにできますね。 

 

  • 名詞とは違って、名詞には活用が存在しないが形容動詞は活用が存在する
  • また、名詞は程度を表す副詞に修飾されることはないが、形容動詞は程度を表す副詞によって修飾される

 あ、たいへん危険な仕事、たいへんという程度を表す副詞を伴っても違和感ありませんね。

たいへん危険です。はいいけど、たいへん雨(=名詞)です。はおかしいですね。

たいへん暇です。(暇な=な形容詞)もいい。

とても安全だ。(安全な=な形容詞)

安全に運転する。(な形容詞)

安全が第一。(名詞っぽいけど、な形容詞に含まれる形容動詞)

......などなどこんな感じですね。 

 

結論から言うと、(あれ2回目?)

形容動詞はな形容詞に含まれるが、元は名詞から持ってきて形容詞にしたため、名詞的な使われ方もするが、名詞とは別ものであることが上の説明によってもはっきりとわかる。

と言うことですな。

 

外国人学習者には、

な形容詞の中には、形容動詞と言うような、一見名詞のように見えるものがあるけど、これは名詞ではないよ。名詞かどうか迷ったら、〜なをつけてみて、おかしくなければ「な形容詞」だよ。だから程度を表す副詞を前につけることができるよ。

 と説明してあげよう。

 

 

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文法現象から捉える日本語 (開拓社言語・文化選書)

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